2023.05.25
5月24日(水)に『ウーマン・トーキング 私たちの選択』公開直前 前田敦子さんトークイベントを開催!そのトーク内容をお届けします。
──イベントのオファーが来たときの心境は?
「観る前は自信がなかったので、先に試写が観たいとお願いしたのですが、中盤くらいでもう安心できました。私は過激な描写が苦手なんですが、それが一切ない。だからこそ皆さんにおすすめできる作品だと思っています。(キャストが)なんでこんなにいきいきしているんだろう、観ていると自分も話している気分になるのはなぜだろうと思って、いろんな記事やインタビューを読み漁りましたが、すごく重いテーマだからこそ、現場は和気藹々と作られていたという裏話を聞いて納得しました」
──もし本作に俳優として参加することになったら?
「怖いですね。本当に生々しい感情が出ているので。でもそれって、本当にいい環境だったからこそ出てきたものだったんだろうなあと、いいなあと思います。どの国でもこういう話はあるものだと思いますが、もしオファーがあったら、簡単な気持ちでは参加できないなと思いますね。撮影環境がものを言うテーマだと思います」
──本作で描かれる女性の結束についてはどう見られましたか?
「すごく納得しました。もちろん(アイドルグループ時代)ぶつかったりもめたりしたこともあったけど、大きな事件になったことはなくて。それは根っこに絆があったからだと思うんですけど、それを映画を観ていて感じました。嘘だろって言われると思うんですけど(笑)、メンバーは本当に仲が良かったんです。なにかあったら話し合って、泣きながら感情をぶつけあったりして、仲直りもアツいんですよね」
「一番仲が良かったのはともちん(板野友美さん)。正面から『それってちがくない?』と言ってくれるから、それですごく仲良くなりました。喧嘩したあと、仲直りのときにおそろいのネックレスを買ってくれて、私もお返しのプレゼントを贈ったりして。おそろいでつけていました。今も大切に持っています!」
──母親としての選択も描かれますが、子育てはいかがですか?
「母親らしさをどこかで求めている私もいますし、自由でいたいと思いながら“らしさ”を求めてがんじがらめになってしまうことはよくあります。子どもが生まれた時に、自分のなにかを犠牲にしすぎてそれこそ“母親らしさ”に固まることが怖くなったんです。自分の想像の範囲でもあんまりいい未来が描けないってことは、よくないと思って。もちろん子供の成長によって変えていきたいとも思うんですが、でも、シングルマザーになったときに、(がんじがらめになっていた部分が)すごく楽になったんです。別れたあとのほうが、それぞれ親子で結束できていると思います。そうなったときに、私は趣味が仕事になっている部分もあるのかもしれないんですが、私が自分らしくいられるのはお仕事をしながら子育てすることかなと気づきました」
──サラ監督との共通点でもある監督業について、今後の展望は?
「(監督という職業にこだわらず、)違うものを形にすることに携わってみたいです。まだ見つかっていないんですけれど、そのなにかが見つかった時に動き出すんだろうなと思っていて。まわりのみんなを見ていると、形にしている人が多くて、それが楽しそうで。自分が必要とされているものがあったら挑戦してみたいなというのはずっとあるので、なにか意味のあることをしたいと思っています。全部自己満足で終わってしまったら人生後悔すると思うので」
──最後にこれから本作を鑑賞する皆様に向けてメッセージをお願いします
「今話していることは、まだ観ていない方からしたら何を言っているのかわからないかもしれないですが(笑)、観終わったあとにほんとうにそういう気分になるんだなと納得してもらえると思います。口に出すこと、言葉にすることから始めることがどれだけ大切か、改めて教えてくれた作品です」